AI活用による英語教育強化事業の授業公開が本校で行われました
2025年11月28日 11時00分本校は、令和7年に「AIの活用による英語教育強化事業」のモデル校として指定を受け、英語AI活用リーダーを中心にGELPなどのAIアプリケーションやGeminiなどの生成AI等を活用した授業実践に挑戦しています。この日は、活用リーダーである後藤浩之教諭による1年次「英語コミュニケーションⅠ」、同じく活用リーダーの山口知子教諭による2年次「論理・表現Ⅱ」の授業公開を行いました。
「英語コミュニケーションⅠ」では、単元最初の活動としてエッセーライティングを行いました。最初に論理的な文章を書くためのエッセンスを確認し、後藤教諭が書いた文章を生徒全員で自由に話し合いながら添削をしたり、自分が書いたエッセーをペアで交換して改善点を指摘してもらったりして、エッセーの構成の仕方について知識を深めました。その後、エッセーを各々AIアプリ(GELP)に打ち込み、英語の正しさと内容の面を添削させ、AIからの助言や改善点を確認し、さらにその内容をペアで確認しました。1年次生は、AIの活用を始めたばかりなので機器操作においてやや個人差はあるものの、AIからの助言に興味深そうに反応をしていました。情報リテラシーを高めながら、今後もどんどん活用を進めていく予定です。
「論理・表現Ⅱ」では、GELPを使った高速リスニング活動から始まり、その語エッセーライティング活動に入りました。他クラスのエッセーライティングをもとによくある文法や語彙の間違いについて確認をした後、「起業」をテーマにペアでブレインストーミングを行い、内容の論理構成の仕方について知識を深め、各自100語程度の作文を書きました。その後、書いたエッセーを音声でGELPに入力し、添削させ、その文章を活動シートに書くことで洗練された英語の表現を覚えるというところで授業が終了しました。2年次は、年度当初から授業だけではなく自主課題としてもGELPに慣れ親しんでいることもあり、スムーズにAIの操作をしていました。
今回の授業公開には、文部科学省の専門員の方や本事業の事務局担当者をはじめとして、県内中学校・高等学校から31名の方々が参加しました。あらためて、教育現場でのAIの活用の関心の高さが伺えます。公開授業の後は、研究協議を行い、山口教諭、内藤隆宏教諭から本校の実践紹介をし、さらに英語教育におけるAIの活用の仕方について参加者同士で情報交換を行いました。参加者からはAIは何でも答えを与えてくれるのでAIの使用場面については厳選すべきであるという意見が多く、特に、AIが生徒たちの考える力を阻害してしまうことに対しての懸念が強いように感じられました。今回の公開授業では、エッセーの論理展開を考える場面で、教師が主体となり生徒同士の協働作業で発想力を育み、その後各自が書いたものに対してAIに添削・助言をさせるなど、個別最適な学びにふさわしい場面でのAIの補助的な活用の仕方に参加者からの高い評価をいただきました。
AIの活用は間違いなく、これからますます教育現場に入ってきますが、その活用の在り方はまだ手探り状態です。生徒たちの情報リテラシーを育む教育も急務です。この事業をきっかけに、磐城高校の英語科一同、AIにすべてを任せるのではなく、効果のあるよりよい活用の仕方について研究を続けていきたいと思います。ご家庭においても、生徒たちがどのようにAIを生活で活用しているのかということについて、共有していただきたいと思います。